やつは数ヶ月に一度。この携帯に電話してきていたの。
母親は未練がましい奴には容赦なかったの。
でもね、「あの人は今でも信じている・・・。」って
切ない思いを馳せて非通知設定や電話番号改変をしなかった。
だから今回の惨事は起きてしまったの・・・。
「あの~○○さんですか?私です・・・。○○です」
「元気ですか?こちらは元気です。」
「暑いですね。そちらはどうですか?」
「げんきにやっていますか?」
また、未練がましいことをやっている・・・。
夢遊病患者のような言動を繰り返す彼は話している。
こいつにとって俺は関係ないとは言い切れない。
この話し方は同情を誘うような話方であり、おれは耳を傾けてしまった。
それが間違いであった・・・。
話を聞くたびに悲しくなっている自分はいた。
だめだったのだ。
俺は適当なことを言った。
「あの~どちらさまでしょうか・・・?」
「えっ?!・・・ああ。いままで貴方にかけていたのですか?」
「すいません・・・。いつも貴方の携帯に話しかけていたとは・・・。」
正直。嘘を言った自分に泣きたくなった・・・。
「お前は風に吹かれっぱなしの草か?」
呟いてみた・・・。PR