(これが若さか・・・。)
もぐもぐ食べながら思う。
━━━我ながらバカだった・・・。
クラス成立してから相手に積極的に話していればこんな事態にならなかったのかも知れない。
観察なんかしているからこんなに昼が辛いのだと再自覚した。
私は廊下で昼食を食べている一団に目を向けた。
そしてすぐ逸らす。
どうせ相手は私のことを露ほどにしか思っていないに違いない・・・。
大体、この高校の制服からして馴染めるものじゃない。
それまで黒だった制服はベージュにほど近い茶に変わり・・・
ネクタイのないシャツを第一ボタンまで開けていいということなのだが。
いままでシャツは制服の下できっちり留めていたことからそのクセが残っている。
工業高校だから動きやすいものがいいのか詳細は知らないが、
私には風通しが良くて気持ち悪いほど寒い。
やはり、冬にこのブレザーで過ごすのは私の免疫の都合上よろしくない。
春は暖かいと思ったのだが・・・やはり、梅雨明けて夏が始まらないと冷たい。
━━━空気が凄く濁っている・・・。
さっきから食い終わった弁当を重ねてしまって片づけた後、
親指の爪をひたすら爪で削っていたが、
左は仲良く談笑、右は黙々と弁当、真っ正面は机をくっつけてまで携帯で遊んでいる。
ここには私の居場所はないようだ。
━━━移動するか・・・。
もう半泣き状態である。
自分でも分かってこらえているのだがやっぱり孤独は寂しい・・・。
後悔は何十回にも渡って繰り返され、そのたびに観察と称して積極的に声をかけなかったのが悔やまれる懺悔の声がどこかしら聞こえてきてとても不安になる。
どこに行くかは決まっている。
図書館である。
たいして読みたい本など皆無に等しく、(某中学校のようにライトノベルなど銀河英雄伝説ぐらいである。萌え?なんでかそれ?)飲食禁止なので弁当を食うわけにはいかない。
しかし、教室で自分の周囲が濁っていくのも見ていられない。沙耶の歌のように待っているのは肉塊か?と思うところには自然に死亡フラグがたってくるものである。
そのフラグを忌避するが如く。
私は早歩きで歩を進める。
自然に足は速くなる。時速6㌔はいつの間にか10㌔になっていた。
不思議なものである。人を避けるのは実行するのに積極的に論ずるのは無理なのは何故か?
これが私の性分であり、直しようもない・・・そう、どうしようもない
癖そのものなのだ。
かといって人間嫌いっていうほど嫌いではない。ただ知らない集団の中にいるのが苦痛なのである。
この苦痛が近頃の私の懸案事項である。めまいや頭痛など、果てには吐きそうな感じである。
これほどの苦痛は今までの私は感じ得なかった新感覚・・・。
窮地は脱することが出来るのは運がいいからだろう。
そして私には人を避ける運しか持ち得ないのか?
そうだとしたのならば哀しい人間だ。