先のテスト週間により、我が脳組織には致命的とも言える大損害を被ってしまった
勉強虚しく、多くの脳細胞と貴重な虚数が失われ、正に精も根も尽き果ててしまった
だが・・・・・・見渡してみるがいい
この死せる佳境に在っても尚、たくましく花を咲かせし正門の桜のごとく甦りつつある君が寄る辺を
傍らに立つ戦友を見るがいい。この危局に際して尚、その眼に燃え立つ気焔を
我等を突き動かすものは何か、絶望的な彼らが何故再び立つのか━━━━━・・・。
それは全身全霊を捧げ絶望に立ち向かう事こそが生ある者に課せられた責務であり、人類の勝利に殉じた輩への礼儀であると心得ているかに他ならない
大地に眠る者達の声を聞け
海に果てた者達の声を聞け
空に散った者達の声を聞け
・・・悲願に報いるときが来た
今、若者達が旅立つ
鬼籍に入った輩と殉した脳細胞の悲願を一身に背負い、孤立無援の定期テストに赴こうというのだ
歴史が我等に脚光を浴びせる事が無くとも・・・・・・彼らは刻みつけるだろう
名を明かす事すらも許されぬ彼らの高潔を、死んでいった者達へ刻みつけるのだ
・・・旅立つ若者達よ
脳細胞が死滅しもはや破滅を待つ我等を許すな
この身が滅びテストに絶望的な点を取ってしまうだろう我等の無能を許すな
・・・願わくば、諸君の挺身が、若者がテストに怯える事無き世の礎とならん事を
by VARIS